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「メールフォーム」はもう古い?お便りフォームを"メール無し"で作った話

先日、ポッドキャスト「SOUND JOURNAL」のお便りフォームを制作しました。 リスナーがペンネームと本文を入力して送信するだけの、ごくシンプルなフォームです。

見た目はどこにでもある普通のフォーム。 ですが実はこのフォーム、従来の「メールフォーム」とは仕組みがまるで違うものになっています。

今回はその裏側について、これからWebサイトを作ろうと考えている方にも伝わるように書いてみようと思います。

そもそも「フォーム=メール」と言う思い込み

お問い合わせフォームと聞いて、多くの人がイメージするのはこんな流れだと思います。

・訪問者がフォームに入力して送信する ・その内容がメールに変換されて届く ・メールソフトを開いて確認する

実際、世の中のフォームのほとんどはこの仕組みで動いています。 そしてこの仕組みを支えるために、裏側では「サーバー」と呼ばれるコンピューターが24時間365日ずっと稼働し続けています。月々のレンタルサーバー代は、言わばこの「常に待機しててもらうための費用」です。

ただ、この従来型には昔からつきまとう悩みがありました。

送ったはずのメールが届かない。迷惑メールフォルダに紛れ込む。気づいたら大事なお問い合わせを1週間放置していた…。 心当たりのある方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?

メールと言う仕組み自体が数十年前に生まれたものなので、現代の使い方との間に少しずつ無理が出てきているんですね。

今回作ったフォームには「サーバー」も「メール」も無い

今回のお便りフォームは、こう動きます。

・リスナーが送信ボタンを押す ・その瞬間だけ、小さなプログラムが起動して内容をチェックする ・チェックを通過した内容が、番組専用のDiscord(チャットアプリ)に届く ・プログラムは仕事を終えて消える

ポイントは、常に動き続けているものが何も無いと言うことです。

例えるなら、従来型が「受付係を24時間雇い続ける」方式だとすると、今回のは「呼び鈴が鳴った時だけ一瞬で現れて、取り次いだら消える」方式。 働いた一瞬分しか稼働していないので、維持費は実質ゼロ。今回のフォームも月額費用ゼロ円で運用しています。

そして届け先はメールではなくチャットです。 スマホにプッシュ通知が届き、LINEのような感覚でお便りが読める。収録前にはチャンネルを開けば、いただいたお便りの一覧がそのまま台本代わりになります。

「フォームの内容は、メールで受け取らなければいけない」

実はこれ、単なる思い込みだったんですね。 届け先は普段自分が一番よく見ている場所でいい。メールと言う概念から解き放たれると、受け取った後の動きまで含めて設計できるようになります。

メリットとデメリット、正直なところ

良いことばかり書くのもフェアではないので、両方書いておきます。

まずメリット。

・維持費がかからない(サーバー代が不要) ・メールの「届かない・埋もれる」問題が構造的に起きない ・サーバーを乗っ取られたり改ざんされたりするリスクが激減する ・アクセスが急に増えても勝手に対応してくれる

特にセキュリティ面は、制作側じゃないと見えにくい部分ですが実は大きなメリットです。常時稼働しているサーバーが無いと言うことは、攻撃される対象がそもそも存在しないと言うことでもあるので。

一方でデメリットもあります。

・送信内容がデータベースに蓄積されない(チャットに流れていくだけ) ・「未対応・対応済み」のような管理をしたい業務には向かない ・構築にはある程度の技術知識が必要で、WordPressのように管理画面から誰でも…とはいかない

つまり万能ではなくて、使い所を見極める必要があると言うのが正直なところです。 今回のような「読んだら完結するお便り」には最適ですが、例えば顧客対応の履歴をきちんと残したい業務用途なら、従来型やデータベースを持つ構成の方が合う場面もあります。

簡易的だけど、育てられる

もう一つお伝えしたいのが拡張性についてです。

今回のフォームは最小構成ですが、「小さく作って、必要になったら足す」ことができる作りになっています。

・お便りを一覧管理したくなったら → データベースへの保存を追加 ・スプレッドシートで見たくなったら → 送信時に1行追記する処理を追加 ・通知先を変えたくなったら → DiscordをSlackやLINEに差し替え

家で例えるなら、従来のやり方が「最初から全部屋付きの建売住宅」だとしたら、こちらは「必要な部屋から建て増していく家」。 最初から使わない機能にコストを払う必要が無く、成長に合わせて育てていけます。

おわりに

「フォームを設置したいならレンタルサーバーを借りて…」が当たり前だった時代から、選択肢は確実に増えています。

もちろん従来のやり方が悪いわけではなく、要件によっては今でもベストな選択になり得ます。大事なのは「他の選択肢がある」と知った上で選ぶことかなと。

サイト制作のご相談をいただく際も、こう言った裏側の仕組みから一緒に考えるのがわたしたちの仕事だと考えています。「うちの場合はどっちが合うんだろう?」くらいの温度感で、気軽にご相談いただければ幸いです。